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ここはカントー地方の南、マサラタウンの近くにある海沿いの町である。
マサラタウンのサトシがピカチュウと共に旅にでるサクセスストーリーは大衆にうけ、既に書籍化・映画化・ビデオ化し人気を博していた。
レイラもサトシとピカチュウの大ファンで、毎日ビデオを見ている。
ニンジンの皮を剥きながら、さっき見たピカチュウの10万ボルトを思い出していた。
「ねえママ、ちょっとお願いがあるんだけど。」
レイラは皮を剥く手を止めてママの顔を見た。
ママは大きな鍋に塩をふって味付けをしている模様。
「私もポケモンが欲しいな。」
声が聞こえたママは、鍋をかき混ぜながらゆっくりとレイラの方に顔を向けた。
「ダメよ。アンタまだ10歳なんだから面倒見れないでしょ。責任持って向き合えない主人じゃポケモンが可哀想だわ。うちにはリルちゃんもいるから我慢しなさい。」
「リルちゃんってママのマリルじゃん!私は私のポケモンが欲しいの!ちゃんとお世話できるよ私。サトシさんだって10歳の時ピカチュウと出会ったんだし。ねえママお願い!」
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