プロローグ

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「分かった。連れてってあげるよ」 「ほんとっ?」 「ああ……」 俺は、自分が今その場で考え付いた行動を実行しようと思う。 「よいっしょぉっ!」 周りに誰もいない事を確認し、俺は女の子を抱え上げた。 「ひゃあっ!?」 お姫様抱っこの体制。 女の子の太腿の感触が、掌に伝わってくる。 うおぉ、柔らか……って、いやいやいや。 女の子と密着したからか、先程感じた甘い香りが再び俺の鼻孔に絡みついた。 しかし今はそれを堪能している時間なんて無い。 というか、俺には小さい女の子におさわりする趣味なんて無い。 「時間ないから、こうやって、走って、行くよ」 突然の行動に女の子は目を白黒させていたが、 「うん。れっつご~!」 俺の着ている制服をしっかりと握りしめて了承した。
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