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朝倉巧也、遅刻する!
「わぁい! どうもありがとぉ、お兄ちゃん!」
俺が学校の校門前に着いた頃には、既に下半身の各関節が悲鳴を上げていた。
体中に酸素が足りない。肺活量をフルに使って空気中の酸素をかき集めないと目の前が真っ白になってしまう。
ホント、慣れない事はする物じゃないよ。
人……先程会った女の子を抱えながら走るのは、俺にはキツすぎる運動だ。
当の女の子はというと、疲労感に打ち拉がれている俺の隣で飛んだり跳ねたりして楽しそうにはしゃいでいる。
「お兄ちゃん、だぁいすきぃ!」
俺の気まぐれ親切がそれほど嬉しかったのか、女の子は天使の笑顔で愛の告白? をしてくれた。
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