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『朝倉 巧也』
組分けのポスターを凝視していると、三組の欄に俺の名前があった。
さすが「あ」で始まる名字。上側を少し探しただけで簡単に見つかる。
次の目的地も決まり、汗まみれの額を拭って一息付く。
しかし三年の教室へは、がっくがくの足で階段を上らなければ辿り着けない。
過労死するぞ、今日……
げんなりする俺に、気休めと言わんばかりにまた汗が一滴伝った。
※
あ、脚がぶっ壊れる……
「「「よろしくお願いしまーす」」」
ようやく三階の廊下に着くと、他のクラスから話し声が聞こえる辺り、やはりもう入学式や始業式は終わっていたようだ。
そろりそろりと移動し、三年三組の扉を恐る恐る開ける。
中には三~四十人の生徒がいて、彼等が一斉に此方に注目した。
八十の瞳が自分に注目する様はなかなかの迫力があり軽く圧倒される。
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