プロローグ

1/11
前へ
/2080ページ
次へ

プロローグ

毎日が同じ事の繰り返しでつまらない──そう思ってた時期が俺にもあった。 「痛てて……」 しかし、今朝は何かがおかしい。 現に俺は今体勢を崩し、アスファルトに身を投げ出す形になっている。 走っていた俺の目の前に、横からいきなり人影が現れたんだ。 春の陽気が、アスファルトに叩きつけられて鈍痛に萎えている俺の顔を撫でる。 目を閉じているのに目が痛い。 寝てる暇は無いぞ、と太陽が俺に警鐘を鳴らしている様だ。 実際ホントに寝っころがっている暇は無いんだよな。 『何をそんなに急いでるんだ?』 そう思う人もいるかもしれないから一応付け加えておくと、今日は四月六日の月曜日。 俺の通う学校にて、始業式&入学式が行われる日付だ。 そしてもう一つ。 今朝、俺が目を覚ましたのは何時何分だと思う? 答えは午前九時半。
/2080ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1521人が本棚に入れています
本棚に追加