いーち。はろー、黒川刹那。

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「私、  くんが好き。だから、付き合って?」  はろーはろー、皆さまこんにちわ。お元気ですか?  わたしはお元気です。  なんて、誰に言っているのかもわからない挨拶文を終えても、目の前の光景は終わってはくれなかった。いや、見てないから、目の前じゃないか。  昼休み、終わる数分前。  告白スポットとしては王道的な、中庭にて。  告白されました。  いや、わたしではなくて。  知らない誰かが。  名前のところはよく聞こえなかったので、それが誰かはわからなかったが。多分、男が女に告白された。  これで相手が隣の席の田中とかだったら爆笑する。はいはい、わろすわろす。みたいな。……む。まずいな。これじゃあわたしが隠れオタクだとばれてしまうではないか。  しかし、何だって中庭なんて王道的で見つかりにくそうだけど、わりとウチの教室では丸見えなところで告白するかな。おかげで携帯が拾えない上に、わたしの野次馬根性が小躍りするではないか。  校舎の壁に貼りついているわたしの姿は、彼らからは見えないだろう。まあこのタイミングで通行人が来たらわたし終了のお知らせだけど。 .
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