第二章

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      お互い数秒間の沈黙を得て固まった後、ようやく自分たちが間違った所に来てしまったようだ、と状況判断がついたみたいだ。       さっきから時々こっちをチラッと見ながら円になってコソコソと韓国語で話し合いをしている         ──…ぁ。   今朝パパが言ってたのって…   この事だっただ…       『困った人が居たら─……』  『声を掛ける─……』   今朝のパパの言葉がぐるぐると、頭の中を回っている。     ど、どうしよう。   明らか困ってるみたいだし、     声をかけるしか無い…よね…?        ──よしっ。     今こそ必死に勉強して習得した韓国語を発揮する時だわ…!     覚悟を決め、一つ息を吐き また、息を吸った…    乃「…ぁっ…あのぉ…」      控えめに韓国語で話し掛けてみた       すると…その言葉を聞いたメンバーが一斉にこっちを振り返った     (うぉ…皆そろってこっち見たよ)      乃「も、もしかして間違ってここに?」       ミル「……君、韓国語できるの?」     乃「ぁ…はい。韓国に一応住んでいるので」       うきぁあぁ~~~ッ//////   心の中は既にパニック   MBLAQと喋っちゃってるよ…私。    ヤバイ…変な汗でてきそう。     ドゥン「そうなの?!じゃあ僕らの事、知ってる?」     (うぉ、顔ちっちゃ…。)    乃「もちろんですよ。先輩ですし」        (…………あ"。)   気付いたとき既に遅し。     どうか聞こえていませんように…          スンホ「……先輩?」         うん、やっぱ聞こえてますよね。      ジオ「先輩って…どーゆーこと?」  まじまじと歩み寄って顔を見てくる。     乃「…そ、そのっ…」     「「「「「その…?」」」」     良い言い訳が見つからない。    乃「……ぇっと…ぉ」   明らか目が泳いでるのが自分でも分かる。      あぁ……もう…。   どうせここで嘘付いたって、私が上手くかわし切れるはず無いし…      めんどくせ、 こうなったら言っちゃえ。           乃「じ、実は私、JYPの研究生なんです──…!」     半ばやけくそで言ってしまった。   …うぉ、マジで言っちゃったよ… 
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