第一章

5/11
前へ
/50ページ
次へ
    「フフ、懐かしいなぁ」     ふと、時計を見ると短い針がもう10を通過していた。   「もう10時か。そろそろ帰んなきゃな」     「よっこいしょっ」と重い腰を上げて帰りの支度をした。           ***   ──ガチャ    「ただいまぁ~」   玄関で叫ぶと、パタパタとスリッパの音と一緒にママとピノが下りてきた。    「あらあら乃亜、今日も遅かったわね。お帰りなさい。ほらピノ、乃亜ちゃんにお帰りのchu~って」     足元にいたピノをママが抱き上げ顔に近付けてきた。     「ん~、ピノちぁ~んただいまぁ。今日はもね、急に踊りたくなって踊っていたの」     「踊ってたって、またパパの会社に行ってたの?全くもう…乃亜は困ったさんねぇ」     呆れ顔でピノに向かって「ねぇ?」と、話し掛けてる      ママは本当にピノに甘いんだから。    「ぁ、そうだ今日は乃亜の好きなすき焼きよ。久しぶりに日本に来たんだし、japanesefoodにしたゎ」   そういえば、さっきからいい匂いがぷんぷんしてる……   早速リビングへ飛び込んだ。        今は冬休み。   私たち中谷一家は3年前から韓国に住んでいる   ママが韓国人だからね。   でもパパは、日本の会社が忙しくてほとんど日本に滞在って感じ。    でも少なくても2ヶ月に一回は会えるし、もうこの生活にも慣れたから寂しくはない     高校一年生の私は学校に行きながら、未来のスターを夢見て韓国のスクールに研究生として通っている   通い始めてもう二年だ。   主に歌とダンスのレッスンがある。   本当は日本語のレッスンもあるけど、前まで日本に住んでいたから日本語はペラペラ~     むしろ日本語の方が上手いと思う
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加