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私は彼の腕を掴む。
「え!!大丈……痛ッ!!」
無意識に私は彼の腕に爪をたてていた。
やばい………手を離さないと……………
「…………ウッ……アアアアアアッ!!!!!!」
痛い、痛い!!
「ウッ……」
彼は顔を歪める。
もっと彼の腕を強く握ってしまった………。
痛みは強くなる一方。
「ハア…ハア…ハァ…」
呼吸が苦しくなってくる。
視界がぼやけてきた…。
『リリム、これ見て?』
え…なに?
どこからか声が聞こえてくる。
『わぁ…すごい!!綺麗なお花………。これ、どうしたの?』
ズキッ………
なにかが…見えてきた。
『リリム、………俺と結婚してほしいんだ。本当はもっとサプライズとかしたかったんだけど………浮かばなくて……』
悲しそうな瞳…でも、それ異常に真剣な瞳をした男性がプロポーズをしている。
『うーうん、そんなことない…。凄い嬉しいサプライズをしてくれたよ!!まさか……ここでプロポーズしてくれるなんて………』
女性……リリムって人は微笑みながら、そして涙を流しながら花束を受けとる。
『ユキヤ……ありがとう。私でよかったら貰ってください。』
リリムはユキヤに抱きつく。
『良かった……。一生大切にするよ……』
抱き合う二人。
私は男性の顔を見る。
……………ドクンッ
「ハア…ハア……ハァ…」
苦しい……。
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