記憶喪失の少女

3/5
前へ
/7ページ
次へ
私は彼の腕を掴む。 「え!!大丈……痛ッ!!」 無意識に私は彼の腕に爪をたてていた。 やばい………手を離さないと…………… 「…………ウッ……アアアアアアッ!!!!!!」 痛い、痛い!! 「ウッ……」 彼は顔を歪める。 もっと彼の腕を強く握ってしまった………。 痛みは強くなる一方。 「ハア…ハア…ハァ…」 呼吸が苦しくなってくる。 視界がぼやけてきた…。 『リリム、これ見て?』 え…なに? どこからか声が聞こえてくる。 『わぁ…すごい!!綺麗なお花………。これ、どうしたの?』 ズキッ……… なにかが…見えてきた。 『リリム、………俺と結婚してほしいんだ。本当はもっとサプライズとかしたかったんだけど………浮かばなくて……』 悲しそうな瞳…でも、それ異常に真剣な瞳をした男性がプロポーズをしている。 『うーうん、そんなことない…。凄い嬉しいサプライズをしてくれたよ!!まさか……ここでプロポーズしてくれるなんて………』 女性……リリムって人は微笑みながら、そして涙を流しながら花束を受けとる。 『ユキヤ……ありがとう。私でよかったら貰ってください。』 リリムはユキヤに抱きつく。 『良かった……。一生大切にするよ……』 抱き合う二人。 私は男性の顔を見る。 ……………ドクンッ 「ハア…ハア……ハァ…」 苦しい……。 .
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加