選抜の日

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「ライア・ネクタスの容態は?」 襲撃は、昨晩のことだった。 ランディとストラームが基地に帰り着いたのは、今朝のことである。 ストラームはライア・ネクタスの治療を続けたが、戦闘で疲れきったランディは、すぐに眠りに落ちた。 ライア・ネクタスが一命を取り止めるという確信はあった。 危険ならば、基地に戻らずその場で治療をしている。 「一応、安定はしている。が、目覚める気配はないな。少し時間が必要かもしれん」 無理もない。 ライア・ネクタスは、明らかな致命傷を負った。 普通の人間であれば、助かったのは奇跡以外のなんでもない。 ストラームの魔法の技術もあるだろうが、それ以上に『ネクタス・システム』の起動に、生存した理由はあるだろう。 その『ネクタス・システム』を、強制的に停止させられた。
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