667人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
互いの魔法が炸裂し、光が幕のように夜空に拡がる。
(どうくるかしら?)
なにかに遮られては、彼女の『邪眼』の力は働かない。
備えのため、屋根から屋根と跳び移り、距離を取っていく。
光の幕を突き破る者がいる。
二メートルほどはありそうな、巨漢。
頭髪の半分は白く染まっている老人。
強靭さもしなやかさも感じさせる手足。
黒いジャケット。
屋根という足場をものともせず、一直線に彼女へと向かってくる。
(それが、あなたの『邪眼』対策ってわけ!)
老人が、魔力を込めた剣を最短の距離で突き出してくる。
大鎌の刃で、彼女はなんとかその突きを受け止めた。
老人は止まらない。
突き、斬撃。
最短を、重量のある攻撃で衝いてくる。
最初のコメントを投稿しよう!