腐れ縁

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~放課後~ 「空、今日はどこいく?」 そうあたしにたずねてきたのは、親友の上川 琴音。 「今日は、皆でカラオケ大会!」 「いいね!」 他の友達も誘い、町中を歩いていたとき…。 「…ん?」 あれは…、 「…竜樹?」 あたしたちの少し前を、竜樹が、こっちに全然気づきもせずに歩いていく。 あたしが声をかけようとしたとき。 …見てしまった。 竜樹が、あたしの知らないオンナノコと、仲良さげに、楽しそうに歩いているところを。 そう。あれがオンナノコだ。 あたしとは、全然違う。 ロングのふわふわの髪。 華奢な体。 優しい笑顔。 …ズキンッ… なんだろ、これ…。 なんか、胸がいたい…。 早く、この場所から逃げ出したい。 「ね、早くいこっ!」 あたしは、不思議そうな皆を押しながら、夢中で歩いた。
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