5章 変わり始める日々

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弐  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ にやにやが止められない。鏡の前でふんっと気合いを入れるも頬が弛む。 へらっとした顔のまま部屋を出て、一階の食堂へと向かった。 「おっはよー!」 扉を勢いよく開けて元気に挨拶する。 「げぇ…朝からうぜぇ」 「おいチビ。朝からキモい顔で挨拶すんじゃねぇよ」 「失礼なっ爽やかな朝の挨拶だろうが!」 「あぁー朝からうるせぇ。ンなことより飯食うぞ」 「あっ俺も一緒していい?」 「勝手にすれば」 ぶっきらぼうな言葉だが、俺を拒絶はしない。へへっと笑いながらそちらに近づいた。 そう、あの盗賊退治以来、周りの反応が変わったのだ。 俺を無視するばかりだったのが、返事をしてくれるようになり、なんと食事を一緒にしてくれるようになったのだ。  
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