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弐
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「そこどけぇぇー!」
「「なっ!」」
俺の叫び虚しく、避けることのできなかった奴らの上に落ちる。むぎゅっと嫌な音がした。
踏み潰した奴の顔は見覚えがない。ということは盗賊の一味だな。良かった仲間を踏みつぶさないで。
ぱんぱんと服の埃を払い、俺の前で尻餅をついている警備隊の奴に手を伸ばした。
「大丈夫か?ごめんな突然降ってきて」
…この謝罪自体おかしいような気がしないでもないな。
ぽかーんとしている奴の腕を引っ張り立たせる。服の土埃を払い、剣を持たせる。
「今の状況は?」
「へっあぁ、ヒトエ隊長が足止めくらって、今ここにいない。そのせいで警備隊と紅の連携が取れなくなってる」
まだ頭が状況についていけてないようだが、俺が聞いたことにすらすらと答えてくれた。
なるほど、ヒトエ隊長がいないからこんなに陣形が乱れてんのか。
俺はすぅっと息を吸い、大声で叫んだ。
「よく聞け!!警備隊、紅関係なく、今近くにいる奴と組め!2人で1人を倒せっ!怪我人はしんどいだろうが自力で戦線離脱しろ!」
走りながら大声で指示をしていく。途中おされ気味な警備隊に加勢し、相手の刀を弾き飛ばして鳩尾に拳を叩き込んだ。
「怯むな!こっちの底力を見せてやれ!!」
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