4章 帰りたい場所

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終着  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ぐすっと鼻を啜りながらハスミが顔を上げた。 「本当に、良かったです。シオンも、紅の皆さんも、警備隊の方も、無事で良かったです…っあっ!あのっツ、ツバキさんも目を覚ましたんですっ!」 ハスミが嬉しそうに俺の右手にぎゅっと力を込めた。 「は、早く会いにいきましょう!隣の部屋にいます、から…え、シオン…?」 ハスミが戸惑ったように俺の顔を見ている。当然か。今の俺はとんでもなく情けない顔をしているから。 「…ハスミ」 「はい…」 「俺な、今すごく安心した。ツバキの目が覚めたって聞いて、本当に安心したんだ。でも同時に怖い。ツバキに会いたいけど…」 それ以上言葉を続けられなかった。 俺のせいで危険な目にあったツバキに、どんな顔で会えばいいんだろう。その上一度逃げ出している。 俯いていると、ハスミが握った手をそのままに立ち上がり歩き出した。 「ちょっハスミ?」 無言で歩くハスミに引きずられていく。医務室を出て、隣室の扉の前に立った。 ここに、ツバキがいるんだ。 俺はそれ以上足を進めることができなくて俯いていると、ハスミが優しい声で言った。 「ツバキさん、目が覚めた時真っ先に聞いたんです」 俺はゆっくりと顔を上げる。 「アイツは無事かって」 俺はさらに情けない顔になった。 「だから、会ってあげて下さい。無事な姿を見せて下さい」 ハスミに背中を押されるままに、扉を開けた。  
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