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四
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その後、ヒトエ隊長は盗賊退治の後処理に奔走し、俺は休養を命じられた。肩の傷より生身の刃を握った左手の方が重傷らしく、物を持ったり激しい運動は駄目だと念を押された。
事件解決から2日後、ヒイラギや他の盗賊達の処遇が決まり、俺たち紅もエイランへ帰ることになった。
「えっヒイラギが?」
「あぁ。シオンに会わせて欲しい、と言うんだ。奴、捕まった後は不気味なくらい大人しいんだが、ひたすらお前に会いたいって言うんだよ」
ヒトエ隊長が顎をぼりぼりかきながら、どうしたもんかという顔をする。ヒイラギは他の盗賊と違って、皇国の警備軍へと引き渡されることになっている。
「どうするシオン。お前さんが会う必要はないが」
「会います」
ヒイラギが何を考えているかは分からないが、このまま放っておくのも気持ち悪い。
俺はヒトエ隊長に連れられて、ヒイラギが捕らえられている特別牢へと向かった。
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