4章 帰りたい場所

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ヒイラギ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ カツンカツンという靴音が反響する。 ここだ、とヒトエ隊長が牢の前で立ち止まった。 「あれー隊長さんじゃないですか。どうしたんですか?」 にこにこ屈託なく笑うヒイラギに、ヒトエ隊長は眉を寄せた。 「連れてきたぞ」 「え?ってあぁ!おちびさん会いにきてくれたんだ!」 かしゃんと鎖のぶつかる音を立てて、こちら側に走りよってきた。手錠と足枷が付けられた状態で捕らわれているというのに、ヒイラギはこちらが拍子抜けするほどに、嬉しそうに笑った。 「君と最後に話したかったんですよ、2人っきりで」 「おいっ!何を言っている!2人っきりは許さんに決まっているだろう!」 怒鳴るヒトエ隊長を手で押しとどめ、ヒイラギを真っ向から見つめた。 「大丈夫です、ヒトエ隊長。数分でいいんです。2人にして下さい」 渋りながらもヒトエ隊長はその場から離れた。 しんとした牢の中、鉄格子を隔てて俺とヒイラギは2人っきりになる。 「で、話ってのは何だ」 腕組みしながらヒイラギを見据える。  
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