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任務終了
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警備隊本部の入り口前に、紅のメンバー全員が立つ。ヒトエ隊長が一歩前に出たのに合わせて俺も前に出る。
「今回は本当に助かった。そちらの助けがあったからこそ、盗賊退治は終着を迎えることができた。今後何か問題が生じた時は遠慮なくこちらを頼ってくれ」
「はい」
ヒトエ隊長は真面目な顔を崩さないまま、すっと手を差し出した。
「本当に、ありがとう」
差し出された手を力強く握り返した。
ヒトエ隊長が手配してくれた馬車が門の前に着き、先に薬師達が乗り込む。俺は一度本部を振り返り、建物を見つめた。
短い間に、色んなことがあった。
なんだか名残惜しいようなよく分からない気持ちになってその場に立っていると、横にツバキが立った。
「何突っ立ってんだ。もう馬車来てんぞ」
「あ、うん。いや、なんか色々あったなぁって思って、つい」
「はぁ?ンなことより早く行くぞ、シオン」
「うん」
ってあれ?
「ツバキ今、俺の名前」
びっくりしてツバキを見上げると、ツバキは俺よりもさらに驚いた顔をしていた。その顔が徐々に赤くなり、それをじっと見ているとがっと頭を上から押さえつけられた。
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