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キリヤの部屋 壱
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食事を終え二階へと向かう。この時間は全員食堂にいるのか、二階はしんとしていた。訓練が休みの俺は私服のまま廊下を歩きキリヤの部屋を目指す。
一番奥の部屋の前に立ちコンコンと扉を叩くと、どうぞーと変わらず間延びした声が中から聞こえた。ドアノブを回し部屋に入る。中は俺の部屋とほぼ同じ作りで、違うのはベッドが二つあり部屋の真ん中に仕切りがあるくらいだ。
「お邪魔しまーす」
「はーいどぞー」
にこにこ笑うキリヤに促され部屋の真ん中に向かって歩く。キリヤ側のベッド付近には、小さな棚が置かれている以外何もなかった。少し寂しい雰囲気のする空間だ。俺はソファに座ることなく立ったままキリヤと向き合った。
「あのさ、キリヤの話しをする前に、聞きたいことがあるんだ」
「うーん?なぁに?」
キリヤと俺の間には人二人分の距離がある。どちらもその場から動かない。
「1年前にエイランで起こった事件について教えて欲しいんだ」
そう言ってポケットから一枚の写真を取り出した。
綺麗に笑う女の子の写真を。
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