5章 変わり始める日々

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参  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 『共犯者』 意味が分からない。 仲間ではなく、共犯者。 一体どういう事だ。 「おい、それどういう意味」 「ねぇーそんなことよりさぁ次は俺の話しようよ」 異様に近い距離のままキリヤが話し出す。 「シオンちゃんさぁ盗賊退治で何があったのー?」 「へ?」 「だってさぁおかしいじゃん。行く前はあんなに険悪だったのに、帰ってきたら仲良しこよし。一体何したのぉ?」 耳元で話されるとあたる息がこそばゆい。身を引こうとすると、キリヤが俺の両肩をぐっと掴んだ。 「それにさぁこんな大怪我までしてーあれ?首も怪我したのぉ?」 するっと首に貼ったガーゼの上を撫でられる。 「うぁぇっ!いや、うんまぁ」 言葉がどもるのは仕方ない。だってガーゼの下にあるのは怪我じゃなくて、師匠につけられたき、ききキスマークなんだから。戦いの後鏡を見てくっきりついたキスマークに俺は絶叫し、あまりの恥ずかしさに急いでガーゼを貼って隠した。 そろそろ薄くなってきたが、用心の為貼ったままだ。  
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