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六
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
首筋にチリっと痛みが走った。
弾け飛んだボタンが床に跳ねる。
状況が理解出来ない。
背中には柔らかな布団、正面にはキリヤの無駄に整った顔、その向こうには灯りが見えた。
戸惑う俺をよそに、キリヤの手は服の中に侵入してくる。はっと気づいたようにその動きを止めようと暴れた。しかし拘束する手が弛むことはなく、暴れた分だけ左肩を強く押される。
「っ!」
「無駄だよぉいくらシオンちゃんが強くても、のし掛かられちゃ抵抗できないでしょー」
その通りだ。
体格が違いすぎる。
上から押さえつけられては満足な抵抗は出来ない。
「おとなしくしときなってーそうすれば程ほどに優しくしてあげるからー」
「っ!おいやめろっふざけんなよキリヤ!!」
するっと肌を撫でられ背中が粟立つ。自然と身体が小刻みに震える。
押さえつけられる身体
意味をなさない抵抗
のし掛かってくる重さ
「っ…!」
「あれ、震えてる。大丈夫だってー初めての子には優しくしたげるし」
身体を這う手
耳元で聞こえる相手の息遣い
支配されるという恐怖
視界が真っ白になる。
甦る過去
思い出したくない過去
嫌だ
怖い
怖い
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