5章 変わり始める日々

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七  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「嫌だっ離せっ!」 足を振り上げ全力で抵抗する。しかしそれもあっさりと封じられ、手が素肌を撫でていく。 嫌だ 怖い 嫌だ 視界がぶれる。 頭ががんがんと痛くなり、とっさに目をつぶった。痛みをこらえ、次に目を開けた時には、眼前の景色が変わる。 白いベッドは黒いものに、天井の灯りは豪華なシャンデリアに変わる。 そして、俺を押さえつけるのは、 抵抗が止んだ。 先ほどまであれほど手足をばたつかせていたのに、それがぴたりと止まる。首筋に埋めていた顔を上げ相手の顔を覗き込み、違和感に気付く。 顔色は蒼白、瞳の焦点は合っておらず、俺を通り越して別の何かを見ている。 何だ、この反応は。 キスマークをつけていたからといって、本気でコイツが体を使って取り入ったなんて思っちゃいない。 初めてなら怯えるのは当然だが、この反応はおかしい。 これじゃまるで 頬に触れようと手を伸ばすが、触れる直前に体が大げさに跳ね弱々しい声が部屋に響いた。 「やだっ…やめっ……スミ…」 手がぴたりと止まった。 焦点の合わない瞳が、悲痛に歪む。 「こわい…助け…アヤメッ…」 震える声で、縋るように俺の知らない名前を呼んだ。 その瞬間、何にも言い難い感情が体を走り抜ける。 一度体を起こし相手を見下ろすと、小さな身体がかたかたと震えていた。自然と手が動き、頬に触れようとした。 コンコンと部屋の扉を叩く音が、その手の動きを止める。  
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