5章 変わり始める日々

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弐  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 小刻みに震える手を握りしめるも、震えが止まることはない。 情けない 俯いて黙っていると、カエデが立ち上がり俺にばさりと上着をかけ離れていった。 「ほら」 上着を羽織り俯いていると、すっと目の前にカップを差し出された。カップからはゆらゆらと白い湯気が出ている。 「これ飲みな」 俺の両手を優しくつかみ、カップを持たせる。 「熱いからゆっくりな」 俺がカップをしっかり握ったのを確認すると、ゆっくりと俺から離れる。ベッド横にある窓に近寄り壁にもたれ掛かると、持っていたもう一つのカップに静かに口をつけた。目線は窓の外に向けたまま、何も言わない。 無言の気遣いがありがたく、カップの温かさにほっとしながら口をつけた。 喉を通るほのかな甘さが、体の震えを落ち着けてくれるような気がした。  
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