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参
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俯いてカップに口をつける小さな身体を横目で眺める。
気づかれないように小さくため息を零して、視線を外へと戻した。
ったく、何考えてんだキリヤの奴は
飲み物持って部屋に戻っれば、キリヤが誰かを押し倒している。合意の上ならいいが(俺の部屋でもあるからそれも嫌だが)隊長さんの顔を見れば一目瞭然。明らかに無理矢理なことが分かる。
キリヤは俺の言葉を無視して部屋を出て行くし、頭が痛い。俺は面倒事は嫌いなんだ。ため息を吐いてから隊長さんに近寄れば、あからさまに怯えている。それでも笑って誤魔化そうとする姿は痛々しい。
ここまで怯えている人間をほっとくほど、俺も人でなしじゃない。
上着を貸し、持ってきた飲み物の片方を渡す。握った手は震えていたが、ゆっくり言葉をかけると震えながらもしっかりとカップを握った。
立ち上がり窓際の壁にもたれ掛かる。
はぁ面倒くさいことになった。
面倒事には関わりたくないのに。
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