333人が本棚に入れています
本棚に追加
四
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
半分ほど飲んで、カップを握った手を見つめる。震えは止まっていた。顔を上げカエデに声を掛ける。
「カエデっえと、ありがとう」
「全部飲んだ?」
「え、いや半分だけ」
「そう。もういらないならかしな。片付けとくから」
「あっはい」
俺からカップを受け取り2つとも机に置くと、こちらに戻ってきた。ベッドに座り込んでいる俺の前に立ち、壁にもたれ掛かる。
「隊長さん。直球で言うけどこれ以上さっきみたいな事されたくなきゃ、紅から出て行った方がいいよ」
「っ」
「…今回は俺が来たからいいけど、次もそういくとは限らない。多分、キリヤは隊長さんを追い出す為なら何でもするよ」
手を握り締めてカエデの言葉を聞く。
確かに、あんな風に押さえ込まれては俺の力じゃ抵抗出来ない。悔しくて、更に手に力がこもった。
「だからさ、取り返しつかないことになる前に出て行った方が身のためなんじゃないか?」
「でもっ」
「つぅかキリヤあいつは何考えてんだ」
「へ?」
「俺は面倒事は嫌いなんだよ。なのに何であいつはこうも面倒事を増やすんだ?俺に関係のない所で問題起こすならいいんだよ。でも寄りによって俺の部屋。何で自分の部屋で男同士の濡れ場に遭遇しなくちゃならないんだ」
「あのーカエデさーん?」
どうしよう、なんだかカエデが変だ。
最初のコメントを投稿しよう!