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「起きろ」
え?
ばちこーん☆
なんかこんな音が響いてから、目が覚めた。
目の前には、やはり自分の部屋の天井が。
「なげえよ……」
近くにおいていた携帯で時間を確認すると、時刻は6時30分だった。
普段通りだな……
普段は、夢はほどほどに、目覚まし無しでこの時間に起きている。
俺は身支度をすませてリビングに移動した。
「おはよう」
「あ、お兄ちゃんおはよう!」
朝食の準備をしている妹に声をかけた。なんか元気良いな。
ちなみに父も母も仕事で朝から家に居ない日が多い。
だから炊事は妹がすることになっているのだが、これがかなり美味い。
料理教室とか開いてもおかしくないぐらいの腕前だ。
これより美味いのはもう1人ぐらいか…
朝食はほぼ毎日決まったメニューで、ご飯、味噌汁、焼き魚となっている。
だから今日も――
「お兄ちゃんお待たせ。いただきまーす!」
「いただきます―――って、えぇ!?」
「どうしたのお兄ちゃん?」
俺は今日どうなるんだ……?
なんかしょうが焼きがあるんだが……
「あっ、今日は豚肉が余ってたからやってみたんだ!
食べてみてよ!」
そう言うと妹は豚肉を食べやすい大きさに箸で千切り、俺の口元に両手で添えた。
「え?何やってんの?」
「何ってあーんだよ。」
「……これなんてギャルゲ?」
「え?」
「あっいや、えっと……なんで?」
「良いじゃんやろーよー」
うっ……まあ断る理由もないし、大人しく従うか……
俺の口に肉が入った。
わー、宝石箱やー。
……いや、かなり美味い。上手く伝えられないけど美味い。
それから、何度か妹にあれをされながら時間は流れた。
今時兄妹そろってしかも「いただきます」まで言う食卓なんて微笑ましい光景らしいが、俺の家では1度も欠かしたことがない。
「あ、もうこんな時間か。」
「今日も頑張ってね!」
「ああ、行ってくるよ。」
「いってらっしゃい!」
妹には反抗期とかは来ないだろうな……
俺と3つ離れている妹はもう15才だけど、外見も精神年齢も声も10歳ぐらいだな。
俺のまわりに実年齢と合わないものを含んでいる女子が多いのは何故だろう?
他にも幼なじみとか……
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