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家を慌てて飛び出したのは、遅刻しそうだったからだ。
いや、登校時間には余裕があるのだが、
『集合時間』ギリギリなのだ。
昔……幼稚園のときからずっと一緒に過ごしている幼なじみがいるのだが、その人といつも一緒に学校に登校している。
つまり幼なじみとの集合時間に遅刻しそうだったのだ。
そして噂をすれば影が射す。
「済まない。遅れてしまった…」
「いや俺もさっき来たところだし。行こうぜ。」
このクールな男っぽい口調で話すちょっとロリな女の子は、小さな身長と-10歳ぐらいの胸が特徴である。
「む……今私を見て失礼なことを考えてなかったか?」
「気のせいだろ。」
「あまりじろじろ見ないで欲しい…」
「見てねえよ」
俺は笑いながらそういったのに、何故か顔を紅く染め出した。
あれ?何かしたっけ?
「おい、顔紅いぞ。熱でもあるのか?」
「い、いや、これはその……あれだ。……えっと…。
と、とにかく大丈夫だ。」
大丈夫って……
それから何度か話題を振ってみるものの、返事がない。
気まずい雰囲気のまま学校に到着した。
てかまだ顔紅いし……
まあ夢だから何でもいいか。
幼なじみとは同じ教室だから、教室まで一緒に行く。
その道中、後輩にも先輩にも同級生にもこっち見られたけど、夢だから気にしない。
教室に到着して荷物を机やロッカーにしまった。
すると急に景色がうやむやになって、気づけば目の前には見覚えのある人が立っていた。
この人は、幼なじみ以外で唯一仲の良い女子だ。
普段は活発で、他人に気配りできる良い奴で
、何人かの男子は彼女に告白したことがあるけど、
全員振っている。
それと、彼女は馬鹿だ。
なぜかテストの点数は良いけど、頭が良いというわけではない。
勉強ができるのと頭が良いのは違うというけれど、こいつがそれの1番良い例だろう。
脱線したが、そんな彼女が夢の中で俺の目の前にいた。
「私……」
思い詰めたような表情だった彼女は、顔を変えてこう言った。
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