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「………分かったよ」
ミカエルの言葉に黙って応じる。するとミカエルは袋の中から青い結晶を取り出した。
結晶の表面には何か翼が生えた生き物のような形が彫ってあった。
「それは…?」
「これは転移結晶といいます。仕組みは結晶に彫ってある紋章と同じ紋章が入っているゲートに転送される仕組みです。使い方は結晶に魔力を流して使います」
そう言うとミカエルは俺の肩を掴んで結晶を持った手を宙に掲げた。
すると今さっきまでいた街の風景が四散し、新しく森の風景が現れた。
ちなみにとっても薄暗い。あと沢山骨みたいな大木があちこちに転がっている。
「つきました。此処は竜骨の深林といいます」
「どして竜骨…? 」
「倒れている枯れ木がとても骨に似ていて、そのうえ巨大なので「まるで竜骨みたいだ!」という一言で竜骨の深林と呼ばれるようになったそうです。周りを見れば分かるでしょう?」
ミカエルに促されるように辺りを見回す。倒れている枯れ木は幹の中身がスカスカであり遠目で見れば骨に見えなくもない。
「まぁ…わからない訳でもないですが……。ところで俺に此処で何をしろと…?」
「とあるモンスターを狩ってもらいます」
「とあるモンスター…って?」
「ドラゴンです。とりあえず…此処で一匹狩ってもらいます。一週間以内に」
「待てぇーい! 絶対無理だろ!」
「どうしてですか?」
「どうもこうもないでしょ!? 竜って炎吐くんだよ!? 当たったら死ぬから! 死なないほうがおかしいから! てか大きさに無理があるでしょ!」
「大丈夫ですよ。此処のドラゴンは普通のドラゴンですから」
「普通って何!? 普通じゃないのもいるの!?」
「ドラゴンは二つの種類があって普通竜と属性竜が存在します。普通竜は別に一人でも狩れますが、属性竜はパーティーが必要になります。まぁ…一人で飼い慣らした人間がいるらしいですが……」
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