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「さて…これからどうすんの?」
萎えた脚に力を入れ立ち上がる。
「とりあえず町か村を探します。野宿だけはイヤですから」
「え、どして? 別に問題ないだろ?」
「あなたは、なにも敷いてない地面の上で横になり眠ることができますか?」
「ああ……そゆこと。そういえば武器以外なんも持ってなかった」
「そういうことです。では行きましょう。グダグダしていたら日が暮れますからね」
「そうだな」
とりあえず辺りを散策する。歩き回っても対したものは見つからず段々と時間だけが経っていった。そういえばと思い気になった事をミカエルに聞く。
「ところで質問いいか?」
「なんです?」
「あの真っ白槍はなんだ? 普通の武器には見えんかったが…」
「あれですか。あれは“神器”です」
「神器? 冷蔵庫や洗濯機やテレビで有名な…」
「それとは違います」
というとミカエルは戦闘で使った純白の槍を出現させた。
「これは“ブリューナク”。神様から与えられた武器で多くの属性が付いています。この槍の属性は“氷”と“聖”。幅広く対応出来るので愛用しています」
クソ神がくれたのか。いろいろと持ってるんだな。俺も貰えば良かった。
「なんだかんだでクソ神のこと信用してんだな」
「いえ。これは神様が『これあげるから付き合って!』と言ってくれた武器です。結果は武器だけ貰って神様は棄てましたが…」
見かけは天使でも心は悪魔だった。今後少し気をつけよう。
「下心丸見えでしたので…」
それはしょうがない。それより悪魔と思ってごめんなさい。
「神器は持ち主の魔力に呼応して現像化するので荷物になりません」
「へぇ…便利だな」
そう言ってまじまじと槍を見つめる。
「…………一つ差し上げましょうか?」
「へ? 一本だけじゃないの?」
「あと二個ほどあるのですが、二個とも剣ですので…」
「本当にいいのか?」
「大丈夫です。ではこれを……」
ミカエルが腰のポーチから一個の白い球を取り出した。それを俺は受け取る。
「これは…?」
「それは神球。神球に魔力を流して下さい。魔力の流し方はちょっと手に力を込めれば出来ます」
言われた通り、魔力を球に流す。
瞬間、腕を細い指でなぞられた感覚が走る。
いきなりのことで背筋がゾクッとしたがそこを我慢し流しこむ。
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