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ぽう……
「………!」
手の内側が光り、刹那、手に一本の剣が現れた。持った瞬間、手がぐっと地面に引かれたがなんとか耐える。
剣は白く半透明で刀身が長く、薄い。そのくせ重さがある。
しかしその見た目は消えてしまうかのようで、とても儚く切ない。そして
―――――美しい
「これは…?」
俺はミカエルに質問するも剣に魅せられているのか俺の質問を聞いていなかった。
「実物は見たことがなかったですが……綺麗ですね……」
「あのー……これは…?」
「あ、すみませんでした。これは“カリバーン”といって神様が妖精の国アヴァロンに言った時に貰ったそうです。私はさっきと同じような感じで貰いましたが…此処まで綺麗だとは……」
「へぇ…」
でも、確かに綺麗だ。とても剣とは思えない。
少し振ってみる。
「うおっと…」
剣が重くて上手く扱えない。
ミカエルは此方を見ながら「練習が必要ですね」と微笑みながら言った。
「確かにな」
俺は笑いながらカリバーンをしまう…ところで気がついた。
「これ………どうやってしまうんだ?」
「魔力の流れを絶ってください。手の力を緩めれば自動的に消えますので」
「分かった」
手の力を緩めると剣は消え、そこには何も無くなっていた。今気づいたが何事もなかったように剣は出て来たが俺に魔力なんていうものがあったんだな~……知らなかった。
「不思議でしょ?」
「うん…今まで無かったかのような感じがするよ」
「それは武器が選んでくれたのですよ」
「俺を…?」
「はい。これであの武器の持ち主はあなたです。あなた以外の魔力には反応しません」
悪用や転用されることがないってことか。これはありがたい。
「そろそろなにかあってもいいと思ったのですが…」
きゃああああああ!
突如響く甲高い悲鳴。
「今のは…?」
「こっちです!」
そう言って走り出すミカエル。俺も急いであとを追う。
その先で見たのはさっきも見た芋虫になにかアーマーが付いた感じのやつが二体!
「ガードイーター…!? どうしてこんなところに…!」
どうやらあの芋虫はガードイーターと言うらしい。立派な名前だこと。
俺は剣を抜きガードイーター目掛けて突撃した。
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