8人が本棚に入れています
本棚に追加
「ッ! バカ! 戻りなさい!」
ミカエルの静止に耳を貸さずガードイーターに突っ込む。
「たぁぁっ!」
ガードイーターに剣を横殴りで叩き込む。
しかし剣は体に刺さらずがぁん! という音と共に跳ね返された。
俺に出来た隙を逃さずもう一匹のガードイーターが口を大きく開き此方に突っ込んできた。
とっさに左腕を盾を構え、それをかわす。
「な…! うおぅ!」
しかし勢いに勝てず体は後方に二メートルほど背中を地面で擦る。止まった時、俺の頭が後ろに垂れた。
「……!」
額に冷たいものが走った。
あともう数センチ飛ばされていれば崖に落ちていた。
攻撃一回でも命取りになる。
それを知った途端に脚がすくんだ。
「《氷塊刃》!!」
ミカエルは技名らしきものを叫び槍を振る。
槍から氷の結晶が飛び散りガードイーターに襲いかかる。
氷の結晶はガードイーターのアーマーを割き、血飛沫を上げさせる。
ガードイーターは威嚇のように一回吼え、金色のブレスを吐いた。
「くっ……!」
ミカエルは顔をしかめる。明らかに苦戦している。
もう一度剣を構える。
脚が震え、思うように動かない。
剣は通らない。なら――
神球を握り魔力を流し込む。そして現れる神器“カリバーン”
―――――あれ…
軽い…さっき出した時は重たかったのに…
なんだ…? なんだか高揚感が………
今ならいける。
そう思い剣を構える。
上手く扱える。そんな自信が体の…いや、いろんな所から湧いてくる。
脚で地面を蹴る。距離を詰める。どうやらガードイーターは此方に気づいていないみたいだ。とても都合がいい。
「だぁぁっ!」
剣を横に勢い良く振った。
剣は紙を切り裂くようにアーマーを滑った。
直後、ギィイイイイイという断末魔をあげた。
しかしそれを無視。もう一匹にターゲットを絞り込み脚を捻る。
焦ったのかガードイーターは金色のブレスをこちらに吐きかけた。
最初のコメントを投稿しよう!