新たな生き方

8/18
前へ
/25ページ
次へ
熱い… そして瞬時に判断する。 体内に溜まっている砂や岩を何らかの方法で瞬時に熱し、それを吐き出している。 だけど、怖いなんて感じない。 さっきまでの自分が嘘みたいに体は動き、反応する。 これもカリバーンのおかげ…? これが神器の性能? いや、こんな時だ。考えるだけ無駄な気がする。 まずは倒す。考えるのは後でもいい。 剣でブレスを払う。 ブレスは一瞬で金から灰色に変化し空気中を舞う。 表情は無表情。しかし確実に焦っている。少したじろいだように見えた。 「うおおぉ!」 体を捻り、一閃―――― 本当に斬ったのかを疑った。 無理もない。奴は一切の悲鳴も上げず倒れたのだ。 血も出ていない。斬った後すらない。残ったのは体に変化のない芋虫だけ。 最初に斬った抉られた部分から血がわずかだが噴き出していた。 終わった。 「今のは《デスサイス》……」 なにやらミカエルが驚いたように此方をみていた。 「どうした?」 「今…あなたは何をしたんですか!?」 「いや、覚えてない。カリバーンを握った途端体中から力が沸いたんだ」 「!」 なにを驚いたのかミカエルは手で口を隠し目を大きく見開いた。 「そ…そうですか…」 「? どうしたんだ?」 「いえ…なんでも」 彼女は明らか様になにか知ってる素振りだ。余計気になる。 「なあミカ…「あ、あのう…」……ん」 脇の方からちっちゃい少女が小さいけどはっきりした声で、俺の言葉を遮るように割り込んできた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加