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「それとお風呂は何処にありますか? できれば入らせてもらいたいのですが…」
「お風呂は其処の廊下に入ってすぐの所にあるから」
場所を聞いたミカエルは一礼し、廊下へと消えていった。
なんか話がスムーズ過ぎてよくわからないが……とりあえず部屋に入っていいのか?
「ユーキ君。ちょっと来てくれるかな?」
「ん? ああ…なんです?」
ガイに手招きされたので近くまで歩くと一枚の紙を渡された。
紙には自分の名前を書く空欄と年齢を書く空欄、それと性別を書く空欄があった。
「これは…」
「入団届だよ。今日から一緒に仕事するようになるからね。彼女の分も書いてあげなよ」
「わかりました」
ペンを受け取りスラスラと自分のぶんを書き、ミカエルのを書き始めて…ペンが止まった。
俺はミカエルのフルネームと年齢を知らないのだ。
「どうかしたかい?」
ガイは、俺のペンが止まっているのを不信に思ったのだろう。
「えっと……ミカエルの年齢…俺知らないんだよ」
「まあ、女性に失礼だしね。えー……っと年齢は二十四歳じゃないかな」
「なんでわかるんだ?」
「僕の特技は女性の年齢を一目見ただけでわかることなんだよ」
なにその特技…怖いんだけど……
「スリーサイズも見ただけで分かるんだよ~。僕って凄いだろ?」
その特技、確かに凄いけど、ただの変態だから。
「じゃ、二十四……と。コレでいいだろ」
名前と年齢を書きガイに提出する。名前欄にはミカエルとだけ殴り書きで書いた。別に面倒だった訳ではない。早く済ませたかったからだ。
「うん。オッケーだよ。部屋は二階が全部空いてるから好きに使ってくれ。それとネイアのサイズ聞く?」
「いらん。じゃ」
適当に断り二階に上がり適当に近くにあった部屋に入る。
ベッドと机が一つあるだけの殺伐とした部屋で当たり前なのだが、なんのコーディネートもされていない。
ベルトを取り、机に置いたところでベッドに倒れこむ。
疲れた……。今日1日だけで色々ありすぎる。
少し考えを纏めるため寝返りをうち、頭の後ろに両手を敷く。
父さん、母さん、それに沙羅…今どうしてっかな…
ふと家族の事を考える。沙羅とは俺の妹で今年で中学二年になる。
真面目でいい子なのだがブラコンなのだ。
後を追って死ぬとか変な事考えなかったらいいけど…
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