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「僕はそんな変な事は言っていないよ」
なんともあっさりと否定した。
「いや、本当の事を言おうな」
もちろんガイが嘘を言ってるとは思っていないが念のため確認する。
「本当も何もないよ。僕はそんなことは言ってないからね」
「しかし勝手に入ったのは事実ですよね?」
ガイはミカエルの言葉に少し戸惑いならが一回だけ頷いた。
「認めたのならいいです。さ、早く座って御飯を食べてしまいましょう」
そう言って椅子の上の画風を全て払いのけた。
ガイは其処に座り、スープを一口―――――
「ブハッ…!」
―――――吹き出した。
「ガイ……汚い……」
「ゲホッゲホ! いや、ネイア、おかしいよ…ゲホッ、ゲホッ! 辛過ぎる…ゲホッ!」
当たり前だろうな。だってミカエルが胡椒一ビン入れたんだ。辛くないはずがない。
「でも吹き出さないでよー。私が目の前なんだよ? かかったら着替えないといけないじゃない」
「僕は、悪くな、ゲホッ! 水、水をください」
俺は咳き込むガイに黙ってコップを差し出す。ガイはそれを乱暴に取ると一気にゴクッゴクッという音と共に飲み干した。
「ハア…ハア。死ぬかと思った……」
「チッ…」
そんなガイの言葉にミカエルは小さく舌打ちした。
「ふぅ……ちょっと食事は中止しようか。みんな、コレを見てくれ」
そう言ってどこからともなく四枚の紙を出す。紙には《イーター殲滅作戦》と書かれており、下の方に参加登録の為、ギルドの名前を書く欄があった。
「これは?」
イーターを殲滅するっていうことはすぐわかるが念のため質問する。
「コレはクイーンイーターの巣を襲撃する為に人数を揃える為の募集用紙だよ。ガードイーターと交戦したのは聞いたよ。あれは巣を守るヤツらなんだよ。あれと交戦したっていうことは巣の中で女王が産卵期に入ったということなんだ」
「なんで交戦したら産卵期なんだよ?」
「ガードイーターは普段は交戦的じゃないんだ。でも産卵期は何かとギクシャクするんだろうね。その間はとても交戦的になるんだ」
ガイって案外博識なんだな、と思った。
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