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「ああ、私は貴方、貴方は私。私の中の管理人、あなたのお陰で助かった」
「構わないよ、死の女神ヘル。長者さま! 悪いけど、貴方が落ち着いたらまた来るよ!」
管理人はそう言って、長者の扉に鍵をかけた。
2人はその部屋をあとにし、階段を下っていく。
「一体どこに行っていたの?」
そう訊いたヘルに、管理人は微笑んで1階を指した。
「隠者を呼んできたんだよ」
「どうしてそれを……」
「よっと、ほらフェンリルさ。彼が鼻先で知らせてくれたんだ」
管理人が抱えていたのは子犬のフェンリルだった。
彼はくうん、と力なく鳴いている。
「ああ、いつの間に……」
フェンリルを貰いうけ、ヘルは彼に頬ずりをした。
「けれど、フェンリルもこのリボルバーマンションに来てしまうなんて、初めてのことだ。まあいい、早く探偵の所へ行こう」
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