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神の国アスガルドの原っぱで、2人の赤ん坊が寝転がっていた。
2人の姿はまさしく人間の赤ん坊だったが、彼らはアスガルドでも名の知れた二神だった。
「なあ、ヘイムダル。素朴な疑問なんだけどさあ、水の中で花火したら、花火ってできるの?」
「はあ?」
突然の質問だが、千里先の景色も感じ取るヘイムダルは「またか」と、イタズラ好きのロキの質問を考えた。
「うーん。そういう花火があった気がするけど」
「ヘイムダルは銀河の先で落ちた雫の音も聞こえるんだろう? ちょっと、調べてみて」
ロキがそう言うと、ヘイムダルは銀河の先から人間の世界、ミッドガルドへ目を向けた。
「うーん、検索結果によると水上で半球形に爆ぜるのがほとんどだね」
そういえば水中で爆発したところで、誰が見るんだと、ヘイムダルはつけ加えた。
「いいんだよヘイムダル、そういうのは。ああ、それにしても退屈だ」
「この前みたいに、ニヴルヘイムに住むモズクズでも口説きに行けばいいじゃないか」
「嫌だよ、自分よりも身長の高い女はアングルボザとの離婚で懲りた。それに、そのときフェンリルにお尻を噛まれてしまった」
ロキは「ほら、見てよここ」と言って、かわいらしいお尻を見せようとするが、ヘイムダルは「よせよ」、と言って視線をそらした。
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