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しばらくは尻を見せることに楽しさを見出したロキだが、また「ああ、退屈だ」と残し、彼は帰って行った。
テュールの週に差し掛かったとき、ロキが再びヘイムダルの下へ、よちよちとやってきた。
「なあ聞いてくれ! さあ聞いてくれ! 我が悠久の友よ! 有史以来の面白いことを思いついた!」
ロキは何かを抱えて、興奮している。
「なんだいロキ、僕は虹の橋の見張りで忙しいんだ」
「このイタズラ好きのロキが、おもしろいものを一度にたくさん見つけたんだ!」
ロキはそう言って、自身の身体よりも大きなその2つを広げた。
まず1つはヴァルハラ宮殿の宝物庫に置かれた、天体を表したような機械だった。
「これはミッドガルドで〝元カノ〟と呼ばれていた機械だ!」
状況、環境、植物、動物、そしてその意思や特質、人格すらも再現し予知をも可能にする投影機がそれだった。
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