神の言葉責め

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ロキはさらに、こう続けた。 「豚が美女になるよりも、興味が沸かないかい? ヘイムダル」 「想像がつかない。あの妖刀で切られたのなら、死の女神といえども、やがて2つに分かれて消滅するんじゃないのか?」 「虹の橋、ビフレストの番人ともあろうものが、詰まらない答えだね。でもいい。ならば予想と事実を検証しようじゃないか」 ロキはその機械と折れた刀を抱え、立ち上がる。 「待ってくれイタズラ好きのロキ。いくら彼女が死者の女神といえど、神を傷つけることに協力するわけにはいかない」 「それなら、対象を獣に少し変えよう」 「そういう問題じゃないよロキ」 「心配するな、僕の予想が確かなら、死者は出ない」 「なぜ、そう言える」 「彼女の、リボルバーマンションとやらは心の話。現実の彼女を殺すわけじゃないさ」 ヘイムダルは、ロキがしようとしていることを未だに理解できずにいた。 「まずはこの〝元カノ〟に、死の女神の記録を行う」 彼女は女神だから480万時間必要だ。ロキはそう言った。 「ちなみに僕の力で有効範囲も小部屋から館に拡張させよう」 やれやれといった素振りで、ヘイムダルは溜め息を吐いた。 「さあ、虹の橋を開けておくれヘイムダル、神の実験の始まりだ──」  
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