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「まあそう焦らずに。では、こちらへどうぞ」
教授が手招きし、皆裏口から博物館の中へと入っていく。
博物館内は本当に圧巻の一言だ。本物を用いているであろう車両達。静寂の中で彼らは凛と整列していた。
「こちらへ」
教授があるスペースの前に立った。
「これが、みなさんにプレイして頂くゲームの、ファーストステージです」
暗闇の中、その機械は青白い光を発している。
「鉄道シミュレータ……?」
誰かが言った。
そう、目の前にあるのは鉄道シミュレータだ。
確かにれっきとしたゲームではあるが……。
「な、なんだよ。こんなもんかよ!世界一難しいんじゃないのか!?」
誰かが喚いている。
「ええ、そうです。もっとも、確実にそうと言い切れるわけではないのですが」
言い切れない?なるほど。
別に世界一という確証はないのだろう。
「へっ……こんなのチョロイんだよ。僕にやらせろ」
「結構ですが……では、どうぞ」
男はシミュレータに乗り込む。横からは見えないが、後方からなら辛うじて画面が見える。俺はその位置まで移動した。
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