求める欲

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僕は寝ている遥香の背後に手をまわし、優しく抱き寄せる。 「うぅん」 遥香は寝ぼけたような声を出して僕を離そうとした。そんな抵抗を無視するかのように強く抱き寄せた。 次第に遥香の抵抗はなくなっていった。 そのときの僕は、人目を気にすることを忘れていた。ただ、欲に身体を支配されていた。 強く抱きしめたせいか、遥香は目を覚ました。顔をあげた遥香は僕に気づいた。 「何してるの?」 抱きしめられたまま、尋ねた。 「俺の女になれ」 突如僕は訳のわからないことを言い放つ。そのときに欲の恐ろしさを改めて感じた。 「うぅん。いいよ」 寝ぼけた声で遥香はそう答えた。あまりの警戒心の無さに、自分の行動以上に驚いた。 遥香は、僕の片手を自分の胸の上に当てさせた。
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