男と女

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僕は、寝ていた。 公園のベンチで一晩を過ごしていたようだ。 少し冷え込んだ秋の朝。 公園での野宿は僕の体温を奪っていた。秋風が僕を通り過がると、一瞬寒気がして震える。 僕は携帯と財布、あと、高校の生徒手帳をポケットに入れぶらり旅をしていた。 ぶらり旅といっても公園で野宿をしていたにすぎない。 僕には、帰る場所が無ない。あることには、あるのだが、そこには帰りたくなかった。 家には、父親と姉と妹がいる。母親が昨日出ていった。父親は、ぼーっと無言で固まっていた。妹は泣き、姉はそんな妹を慰めている。僕は、そんな家には居たくなくなり家を飛び出した。そして、公園で一晩を過ごしたのだ。 さいわい、今日は土曜日でもう一日家に帰らなくてもよさそうだ。
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