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………………非通知
メッセージを聞く。
「…………………」
無言が続く。
嶋崎は不気味に思いつつも、音量を最大にし、もう一度聞いてみた。
「…… おも……て」
え?
もう一度聞いてみる。
「…… おもいだして…」
全身の毛が立った。
心臓が荒れる。
男性か女性か分からない。ただ消え入りそうな小さな声で
「おもいだして」
と呟いた。
怖い。
ただそれだけだった。
なぜかは分からない。
でも、いま何かが始まった。
いや、もう始まっていたのかも知れない。
何かが起こる。
嶋崎は急いでその電話を削除した。
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