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「でも、あれ無言じゃないんだぜ」
え!?無言じゃないってどういうことだ?
「あれ、小さい声で、おもいだして、って言ってるんだよね。」
影山の言葉に皆の顔が恐怖で歪んだ。
「一体何をおもいだしてほしいのかなあ?」
立花千里(たちばなちさと)が言った。
彼女が発言するなんて珍しい。普段控えめで読書をしているのだ。
立花は続けた。
「私、思うの。仮にこの電話を掛けた人を『シャドー』とする。シャドーはこのクラスに関係がある人。もしくはこのクラスの人。いや、このクラスだった人。無人の椅子が倒れ、その日に怪しい電話が全く同じ時間に掛かって来る。しかも全て留守電。このクラスでいま、何かが起こっている。」
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