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なんだ。ほら、大丈夫じゃないか。
自分に言い聞かせ、前を向いた。
「思い出した?」
「っ……………」
驚いて何も言えない。
「ねえ、思い出した?」
歯茎を剥き出しにしてにやりと笑う『シャドー』。その顔からは血が垂れ、顔の大部分を覆っていた。
菅原は恐怖のあまり言葉を発することができないでいた。
誰か…助けて……
後ずさりをする。
しかしここは狭い部屋の中。走りたいが足に力が入らない。
「ねえ、思い出した?」
奴はまた言った。
一歩一歩、奴は近づいてくる。
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