23人が本棚に入れています
本棚に追加
「消えただけ」
静まったこの空間を破るかのように、立花の言葉が轟く。
「どういうことよ?」
五十嵐が問う。二人の会話に皆が注目する。窓が開いているため、カーテンが揺れる。
「近藤君にしろ、菅原君にしろ、どちらも体は見つかっていない。」
「近藤君の体はあるじゃない!」
「あれはあくまでもマネキンに過ぎない。まあ、マネキンと言っても………」
ガタッ
「きゃあ!!」
「動くけれどね」
突然のことに皆が振り向く中、立花は静かに言った。
床に倒れていたはずのマネキンは、叫んだ女子に倒れかかっていた。その女子と始めにマネキンがあった場所との距離は、約5メートル。
マネキンはひとりでに動いた。
最初のコメントを投稿しよう!