ホウカイ

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「消えただけ」 静まったこの空間を破るかのように、立花の言葉が轟く。 「どういうことよ?」 五十嵐が問う。二人の会話に皆が注目する。窓が開いているため、カーテンが揺れる。 「近藤君にしろ、菅原君にしろ、どちらも体は見つかっていない。」 「近藤君の体はあるじゃない!」 「あれはあくまでもマネキンに過ぎない。まあ、マネキンと言っても………」 ガタッ 「きゃあ!!」 「動くけれどね」 突然のことに皆が振り向く中、立花は静かに言った。 床に倒れていたはずのマネキンは、叫んだ女子に倒れかかっていた。その女子と始めにマネキンがあった場所との距離は、約5メートル。 マネキンはひとりでに動いた。
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