ホウカイ

11/18
前へ
/61ページ
次へ
「遅いね。」 五十嵐が言った。確かにそうだ。秋庭がトイレに行ってからおよそ30分ほど経っている。 「あたし見てくる。」 園部千秋(そのべちあき)が言った。 先ほど、トイレに行こうとした秋庭についていこうとしたのは彼女であり、秋庭の親友でもある。 体は小さくおかっぱ、目は大きく、よく笑う、まるで人形のような子だ。 「でも千秋、一人で行くのは大変でしょ。あたしも行くよ。」 五十嵐の言葉に皆が頷く。 「そうだよ千秋、愛莉についてってもらいなよ。」 「うん、じゃあそうする。愛莉ちゃん、ごめん。来てくれない?」 「もち!じゃあ行こう!」 「うん!!」 千秋は五十嵐を見て、ニッコリと笑った。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加