ホウカイ

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ガラガラガラ 戸の開く音に少しビクッとする。五十嵐は空いた戸を見た。 「なんだ、皆かぁ。びっくりしたぁ。」 「愛莉、大丈夫?」 「うん、大分良くなった。」 「あのね。」 清水が話し出す。 「さっきみんなで話し合って決めたんだけど、これから絶対一人にならないこと。何があっても。」 「うん。」 「ん?ち、ちょっと愛莉!この血どしたの?」 血と聞いて五十嵐は驚いた。血なんて出した覚えがない。 手の平についた血。 そして、まだ感触を覚えているシャドーの手。 いま思い出してもはっきり分かる。 シャドーの手は血だらけであった。
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