プロローグ

2/3
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
「おい、アルト…」 この魔族はいつも言い出すことが突然すぎるのよ 「何?」 私が気だるそうに問い返すと、いつもどおり長い犬歯を剥き出しで笑う 「俺様は少し出かける ここに居る連中のことしばらく任せるぜ」 これだ… 何が任せるぜ…だ 私は一応一番新人なんだけど? 「それならアイリスかブレイクに言いなさいよ」 私がそう言うとハザードは大笑いを一度した後静かに言った 「ブレイクはまだ青い、怒りで暴走しちまうからな アイリスは皆の面倒をよく見るが、人にどうこう命令できる性格じゃねぇよ」 「つまり…私が年増で人に平気で命令できる人間と… そう言いたいわけね?腐れゾンビ」 嫌味たっぷりにそう返してやると、また口を大きく開けて笑う 何が一体楽しいのか… 魔力を使えば余命1年 そう宣告されてからも戦いをやめない どんどん寿命を減らすこのバカ 幸いというべきなのか、今はまだ魔力を大量に使うような者と戦っては居ないけど… 「まさにそうだろ?お前なら全員をまとめることができる 連中もお前のことは言うことを聞くだろ?」 どんだけ私を買いかぶってんのよ… ここの連中はアンタを慕って集まった奴らでしょうが… 「スタンもラームも先の戦争で死んだ 紅は行方不明だ お前以外に力で連中を押さえつけられる奴はいねぇだろ?」 笑みを浮かべたまま言う コーヒーがまずくなるわ…本当
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!