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しばらく携帯を見つめたあと、小さく笑い雅は階段を下りた。
「お母さん!」
「あぁ、お腹空いた?悪いんだけど・・・」
「まだ私のご飯作ってないでしょ?ちょっと奈々とファミレス行ってくるから!」
「え、あ・・・そう。・・・え、あんた体調は?」
「あ・・・えへへっ!」
「はいはい、いってらっしゃい」
家を飛び出してバス停まで走る。
もう奈々に話しを聞いてもらうほどの悩みはどこかへいってしまったが、自分のために一緒に悩んでくれる友達がいることが嬉しくて走った。
「奈々っ!!」
「おー、雅早かったね」
「うん、走ってきた」
「あぁ、そうなの。はははっ、なにもう全然元気じゃん!」
「あ・・・本当だ!でもほら、私ご飯食べてないから!」
「はいはい、行きましょうか」
制服姿のまま二人並んで歩き出し、ファミレスへ向かった。
デジタル時計のライトは19:25を映していた。
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