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「雅………分かった」
しばらく口を閉じていた奈々が、そう一言呟いて幸一を呼びに向かった。
「……なに？」
「幸一…」
「なに」
いつもよりずっと冷たい声と視線に、ギュッと胸が痛みながらも、雅は言葉を続けた。
「…今日の放課後…。話したいことがあるから時間つくってくれない…？」
雅の言葉を聞いた瞬間幸一は一瞬、驚いたように目を見開いた。
「……分かった。…じゃあ」
なにかを察したようにそう告げ、ゆっくりと廊下を歩いていく。
その背中は一度もこちらを振り向くことはなく、結末が近づいていることを雅に改めて感じさせていた。
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